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新保険商品システム開発 腰越取締役

厳しい局面を乗り越え歩んだ、挑戦と創造の900日——新保険商品「未来のとびら」システム開発の軌跡。 プロジェクトが発足する約1年前、腰越はフコク生命の会議室にいた。そこでフコク生命のスタッフから新商品の構想を聞いていた。徐々にその全貌が明らかになるにつれ、腰越は驚きを隠せなかった。それはまったく新しい視点からの保険商品だったのだ。 「フコク生命の新商品である『未来のとびら』の斬新性は、定食を例に取るとわかりやすいと思います。通常、トレーの上にご飯と味噌汁があります。これが従来の保険商品では主契約(死亡保障)と呼ばれるベース部分になります。保険の特約部分(介護保障や障害保障等)はトレーにのる“サバの味噌煮”や“鶏の唐揚げ”、“冷奴”などになります。『未来のとびら』ではご飯や味噌汁といったベースさえ不要な人たち向けに、トレーに好きなものだけをのせる“ビュッフェ方式”としました。つまり、お客さまが本当に必要な保障だけをパッケージできる点で、従来の保険の枠組みを超えた画期的な商品といえます」 腰越に要請されたのは新商品のシステム化である。しかも、開発期間は1年5ヶ月とされた。大型の新しい商品の開発期間としてはあまりに短かった。さらに予算にも制約があった。低コスト開発を求められたのである。開発は当初から厳しい環境の中にあった。 状況を打開するにはどうすればいいか。しかし腰越には、新商品の構想を聞いたときから、ある直感があった。それは「新商品専用のシステムを構築するのは、時間と予算の制約で極めて困難であり、既存のシステムを流用するのがベスト」というものである。 こうして2010年11月、プロジェクトチームが発足。各部署から10名の精鋭スタッフが招集され、2012年春の新商品発売に向けて、プロジェクトは動き出した。10名のメンバーの顔には、一定の緊張感とビッグプロジェクトに関わる高揚感が漂っていた。 腰越の発想である既存システムの流用には、大きなリスクが潜んでいた。たとえば事務管理システムについていえば、稼働中のプログラムの2割を修正する必要があった。そこで大きな障害が発生すれば、新商品を発売できないばかりでなく、既契約の事務処理も止まり、会社存続に影響を及ぼしかねない事態に陥る。 腰越は、システムが新商品に対して正しく稼働させるのはもちろん、既存商品に対しても従来通り正しく稼働させることを開発の重要なポイントとした。そのため開発期間中、既存処理の稼働確認は徹底して行われた。「決してシステムを止めてはならない」。 開発そのものは、メンバーの必ず成功させるという信念と、ひたむきな取り組みが功を奏し順調に推移していった。しかし、そんなとき日本中を震撼させた未曾有の出来事が勃発する。2011年3月の東日本大震災だった。 「震災発生後に私たちが思ったのは、復旧に向けて何か手伝えることはないかということでした。それは私たちプロジェクトメンバーだけでなく、FISの社員、さらには業界の多くの人が思っていたことでした。そこで震災対応のため開発を一時中断しました。被災された方の保険料払込を猶予するためのシステム対応や、低利による融資を可能とするシステム設計、あるいは復旧に向けて、被災されたお客さまのデータベースを活用する仕組み作りなど、業界各社足並みを揃えて取り組みました。プロジェクトを離れましたが、自分の仕事が誰かの役に立っているという実感があり、大きなやりがいを感じたものです。この震災対応による開発中断のため、システム稼働時期は延期をやむなくされました。」 2011年9月、システムの要となる要件定義、基本設計が終了。その2ヶ月後、腰越は「要件定義打ち上げ合宿」を鬼怒川温泉で行った。それまでの開発の総括が中心だったが、業務終了後の飲み会も大いに盛り上がり、メンバーの絆はより深まった。 新商品発売まで残すところ約半年。プログラム製造も終了し、2012年3月に総合テストが開始された。メンバーの奮闘で開発は急ピッチで進められた。2012年10月末、総合テストがほとんどのシステムで完了。いつでも本番稼働が可能な状態が整った。腰越の心を満たしたのは大きな安堵感だった。「プロジェクトマネージャーとして、やるべきことはやり終えた」。 こうして新システムは、2013年4月の「未来のとびら」発売と同時に稼働を開始した。それはプロジェクトの終了を意味する。プロジェクトチーム発足から2年5ヶ月、900日が経過していた。ただ、腰越には懸念すべきことがあった。稼働後、システムに大きな障害が発生しないか、安定的な稼働を継続できるかどうか——。 「稼動後、システムは大きな障害もなくきちんと稼働しています。ホッとしましたね。達成感よりもその安堵感のほうが強いというのが正直なところです。今回のプロジェクトはFISにとって大規模の開発案件でした。私はこのプロジェクトは、今回参加したメンバーが次の大型開発案件で活躍してもらうための成長の機会、場と考えていました。事実、彼らなりに成長の糧となるものをつかんだと思いますね。また、言われたことを言われた通りにやるだけでなく、想像力を働かせて自立的に動ける人材の貴重さを実感しました。
		『なぜそのような対応をするのか』『その開発案件はフコク生命のビジネスにどのように役立つのか』『自分自身、そして組織の課題は何か』等、主体的に考えられる人を育てることが、私自身のテーマであり使命と考えています」 10年に1度といわれる今回のビッグプロジェクト。この大規模システム開発を前進させ成功に導いた原動力となったのは、メンバー一人ひとりの熱意と情熱、そして誠実に真摯に仕事に向き合う姿勢にほかならなかった。フコク生命の新保険商品「未来のとびら」。その言葉は、いみじくも、今回のプロジェクトそのものを、そしてFISと社員達の明日を指し示している——。 腰越取締役のMotivation“利他”という言葉に通じますが、自分自身の仕事(振る舞いや行動も含めて)の結果が、誰かの役に立っていると感じられるとき、やりがいを感じます。たとえば、会議の仕切り役や社内改善活動における振る舞いを通して、他の人たちを少しでも“活性化”できたときなど、やりがいを実感します。 腰越取締役のMotivation「設立して13年足らずの若い会社なので、システム開発以外の場面(職場活性化・環境改善、人材育成、品質・生産性向上等)においても、自分たちで企業文化や社風を創り上げることができるのは強みだと思います。また、社員の誠実さや真面目さ、頑張り屋が多いこともFISを支える源と感じています。 腰越取締役のMotivation「高品質・安い・早い」システム作りを実現することです。FISは品質に関しては合格点に達していますが、「安い・早い」についてはさらなるアップを目指しています。品質を落とすことなくさらに生産性の向上を図ることが当面の目標。また、部下のスキル向上は願ってやみません。人を育てることも私のミッションと考えています。

画期的な新商品「未来のとびら」のシステム構築に挑む

2013年4月に販売を開始したフコク生命の大型保険商品「未来のとびら」は、それまでの保険の常識を覆す画期的なものである。従来、保険というのは主契約(死亡保障)がベースにあり、それに特約が付加される形で提供されていた。しかし「未来のとびら」は主契約という概念をなくして、特約を自由に組み合わせる体系とした。契約者は、ライフスタイルに合わせて必要な保障が選べることが可能となったのだ。FISのミッションはこの新商品の発売までに、契約から維持・管理、保険料レート作成や決算処理、営業職員の人事管理にいたるまで、新商品のシステムを構築することだった。10年に一度といわれる大型商品であり、FISにとっても、過去に例がないほどのビッグプロジェクト。しかし、そこには様々な困難な状況が待ち受けていた。プロジェクトマネージャー・腰越の奮闘を通して、プロジェクトの軌跡を追った。

Profile

腰越取締役

腰越取締役
1987年入社 商学部卒
(システム管理部担当)

富国生命保険相互会社入社後、FISの前身である同社の情報システム部門に配属、プログラム作成の仕事に就く。その後、一貫してシステム開発に携わってきた。90年代、フコク生命として、過去最大規模の個人保険システム開発案件にもメンバーとして参加。今回のプロジェクトはそれ以来の大規模なものだった。プロジェクト全体の指揮官であり、プロジェクトの全責任を担うプロジェクトマネージャーとして、「未来のとびら」システム開発を成功へと導いた。

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