プロジェクト・「未来のとびら」システム開発

フコク生命の画期的新商品「未来のとびら」——、その市場投入に不可欠な新システム。過去最大規模のプロジェクトを紹介します。

システム開発の背景

フコク生命が2013年4月に発売した新しい保険商品「未来のとびら」は、これまでの保険の枠組みを超えた画期的な商品です。従来、保険商品はベース部分となる主契約(死亡保障)に特約(介護保障、障害保障等)を付加する形で提供されていました。しかし「未来のとびら」はベースである主契約をなくし、お客さまがライフスタイルに合わせて必要な保障を選ぶことができる体系としたのです。「未来のとびら」は現行商品に代わる大型の主力商品という位置づけであり、それに伴う新たなシステムがFISに要請されたのです。

システムの特徴

当初、フコク生命は2012年4月の発売を目指していました(東日本大震災対応による開発中断等で、発売は約1年延期)。開発期間は1年5ヶ月という短期間、さらに低コスト開発が要請されました。そのため、新商品専用のシステムを構築するのではなく、現在稼働中のシステムを流用する形をとりました。現行の機能はそのままにして、「未来のとびら」の機能を盛り込むというものです。10,000本にのぼるプログラムの20%を修正、既存システムの安定稼動を維持しつつ、開発を円滑に進めるのが最大のテーマでした。また、保険契約を管理するデータベース上の主契約を空にした点もシステムの特徴の一つです。従来は主契約ありきでシステムを構築してきましたから、主契約の保障がない保険であることを、お客さまに理解していただくための仕組み作りにも注力しました。

システムの開発規模

今回のシステム開発はFISにとって規模が大きな部類に入るものでした。開発期間は2年5ヶ月、開発工数2千数百人月(1人月=1人が1ヶ月に行うことのできる作業量)、対応プログラム本数は2,000本に及びました。通常の新商品開発は、開発期間が4〜6ヶ月、開発工数が100〜150人月であることを踏まえれば、今回のプロジェクトがいかに大規模なものであったか、理解していただけると思います。

システム開発の具体例

保険商品のシステムは、契約から維持・管理、保全、営業職員の管理、保険数理に基づく保険料レート作成や決算まで複雑多岐にわたるものです。それは業務の効率化・合理化に寄与するだけでなく、お客さまに最適なサービスを提供するために必要不可欠のものです。今回のプロジェクトでも多彩な開発が推進されました。その一部を紹介しましょう。新契約申込書サイズ変更です。従来はB4サイズで持ち運びが不便なものでした。これを持ち運びの利便性を高めるためA4サイズに変更。また、これまで商品販売は主契約+特約のパターン販売でしたが、商品の組合せが自由となる新機能を開発しました。1000帳票の約半分を改訂し、より見やすく取り扱いやすくしたことも、大きな開発要件の一つでした。

システムのリリース

「未来のとびら」発売と同時に、システムは稼働を開始しました。十分なテストを重ねているとはいえ、最も懸念されたのは本番移行(リリース)後に大きな障害が発生しないかどうかでした。システムは稼働後、現在に至るまで安定稼働を継続しており、新商品の販売を力強く支えています。今後、お客さまの声をはじめ、販売を担当する営業職員の声等を反映させることで、さらに質の高いシステムへと進化させていく考えです。今回のシステム開発はFISにとって総合的な開発力を問われるプロジェクトであり、システム開発企業としてのFISの保険業務知識とITスキルに加え、マネジメント力のレベルの高さを十分に発揮したプロジェクトでした。

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